ウィンザー城

ウィンザー・アンド・メイデンヘッド · GB

1066年から続く世界最古の現役居城、 英国王室の象徴的本拠

イングランド南部バークシャー州ウィンザーに立つウィンザー城は、 1070年頃ウィリアム征服王が築いた世界最古かつ最大の現役居城。 950年以上にわたり39代の英国君主が住み、 セント・ジョージ礼拝堂とラウンド・タワーを中心に石造城塞建築の最高峰を体現する英王室の象徴的拠点である。

ベストシーズン・ベストタイム

3月-5月

復活祭ガーター式典 (4月) 期間で 4 月最終週のガーター騎士団行列が必見

★★★★★

6月-8月

気温20度前後で快適、 観光客最多で2-3時間待ちが標準的、 早朝戦略推奨

★★★★☆

9月-10月

観光客減で快適、 落葉と石造城塞の組合せが英国カントリーサイドらしい風景でベスト

★★★★★

11月-2月

観光最閑期、 クリスマスの灯火装飾が幻想的、 王室がサンドリンガム移動

★★★★☆

見どころ TOP 3

  • 1.中世起源のラウンド・タワー

    城の中央に立つ高さ65メートルのラウンド・タワーは1170年ヘンリー2世時代の石造改築で、 元はウィリアム征服王の木造モット・アンド・ベイリーの土塁。 王室旗が掲揚されると国王の在城を示す英国の象徴的シーン。

    ロウアー・ウォードから見上げる構図、 朝の光

  • 2.セント・ジョージ礼拝堂

    1475年エドワード4世建立の後期ゴシック礼拝堂は扇形ヴォールト天井とガーター騎士団の旗で華麗。 ヘンリー8世・チャールズ1世・エリザベス2世等10代の君主が眠り、 王室婚礼・葬儀の聖地として現在も使用される英国第二の国家霊廟。

    礼拝堂内のクワイア席越しに天井を仰ぐ構図、 自然光

  • 3.ステート・アパートメント

    アッパー・ウォードの王の公式居室群はルーベンス・レンブラント・カナレットの絵画コレクションが圧巻。 1992年大火災から修復されたセント・ジョージ・ホールは長さ55メートル × 幅10メートル、 ガーター騎士団の盾装飾が圧巻の儀礼空間。

    セント・ジョージ・ホールから天井装飾を見上げる、 自然光

物語・伝説

1070年頃、 ノルマンディー公ウィリアム征服王がロンドン西方の防衛として木造モット・アンド・ベイリー城を築いたのが起源。 ヘンリー2世が1170年に石造改築でラウンド・タワーを建立、 エドワード3世が1348年ガーター勲章創設の場とし、 1475年エドワード4世がセント・ジョージ礼拝堂着工。 1992年11月20日大火災でアッパー・ウォード東面が焼失、 5年がかりの修復工事 (3700万ポンド) で復元。 2022年エリザベス2世葬儀の最終安置の場となり、 39代の君主の現役居城として 950 年以上機能する世界最古の城。

こんな人におすすめ

英国王朝史と中世城郭建築に関心ある歴史マニア、 ガーター騎士団の儀礼を体験したい王室ファン、 ロンドン日帰り観光の世界遺産巡礼者、 ハリー・ポッターの撮影地巡礼者。 ロンドン・パディントン駅から列車で30分。

現地で知るべき豆知識

  • 1.城内見学はオンライン予約必須 (rct.uk)、 当日券は夏期 1-2 時間待ち、 入場前にステート・アパートメントが王室行事で閉鎖の可能性ありで事前確認必須、 ガーター式典 6 月第 2 週は完全閉鎖
  • 2.11時の衛兵交代式 (Changing of the Guard) は無料で見学可能、 ガーター式典 (毎年 6 月) と王室行事日は中止、 公式サイトで開催日確認、 ロウアー・ウォード入口側で開始 1 時間前の場所取り推奨
  • 3.セント・ジョージ礼拝堂は日曜礼拝中 (10:45) は観光客見学禁止、 平日午後の見学が定番、 内部撮影禁止だが回廊外周は撮影可能で、 自然光が美しい午前中の訪問が建築鑑賞のベストタイミング

訪問情報

アクセス
ロンドン・パディントン駅からスラウ駅経由でウィンザー&イートン・セントラル駅まで列車30-40分、 駅から徒歩5分。 ウォータールー駅からの直通便もあり。
所要時間
城内見学2-3時間、 ステート・アパートメント+礼拝堂含めて半日。
予算目安
城内入場料 大人28ポンド (約5200円)、 オンライン予約手数料込、 衛兵交代式は無料。 (2024年時点)

周辺観光

徒歩 5 分のイートン校 (1440 年創立の英国最名門校で生徒見学は ガイドツアー要)、 車 30 分のレゴランド・ウィンザー (ファミリー向けテーマパーク)、 車 1 時間のロンドン中心部 (バッキンガム宮殿+ウェストミンスター寺院) で日帰り観光の中核となる。

詳しく知る

時間のある方向けの詳細情報。

年表

  1. 1070年頃

    ウィリアム征服王築造

    ノルマン征服後ロンドン西方の防衛拠点として木造モット・アンド・ベイリー城を築造、 ウィンザー城の起源となる

  2. 1170年

    石造改築

    ヘンリー2世がラウンド・タワーと外周城壁を石造化、 木造から石造への転換で長期保存性を獲得する

  3. 1348年

    ガーター勲章創設

    エドワード3世が英国最高勲章ガーター勲章を創設、 ウィンザー城を本拠地として年次式典の場と定める

  4. 1475年

    セント・ジョージ礼拝堂

    エドワード4世がセント・ジョージ礼拝堂を着工、 後期ゴシック扇形ヴォールトの傑作として1528年に完成する

  5. 1547年

    ヘンリー8世埋葬

    ヘンリー8世が亡き妃ジェーン・シーモアと共にセント・ジョージ礼拝堂に埋葬、 王室霊廟の伝統が始まる

  6. 1649年

    チャールズ1世密葬

    清教徒革命で処刑されたチャールズ1世の遺体がセント・ジョージ礼拝堂に密葬される (秘密埋葬)

  7. 1820-1830年

    ジョージ4世大改装

    ジェフリー・ワイアットビルがゴシック・リバイバル全面改修、 現外観の主要素が確立する

  8. 1917年

    王朝名改称

    第一次大戦中の反独感情で王朝名サクス・コーバーグ・ゴータ家から「ウィンザー家」に改称、 城が王朝名由来となる

  9. 1992年11月20日

    大火災

    アッパー・ウォード東面の100室以上が焼失、 5年・3700万ポンドの修復工事を経て1997年復元完了する

  10. 2018年5月19日

    ハリー王子婚儀

    ハリー王子とメーガン・マークルの婚儀がセント・ジョージ礼拝堂で挙行、 世界中の関心を集める王室イベント

  11. 2022年9月19日

    エリザベス2世埋葬

    70年治世のエリザベス2世がセント・ジョージ礼拝堂キング・ジョージ6世記念礼拝堂に埋葬、 国民の悲しみを集める

  12. 2023年5月

    チャールズ3世前夜祭

    チャールズ3世戴冠式直前の式典がウィンザー城で執行、 39代の現役居城としての伝統が継承される

歴史をもっと深く

ウィンザー城の起源は 1070 年頃、 ノルマンディー公ウィリアム征服王 (在位 1066-1087) がロンドン西方の防衛拠点として木造モット・アンド・ベイリー城を築いたことに始まる。 1110 年ヘンリー 1 世時代に石造化が始まり、 1170 年ヘンリー 2 世がラウンド・タワー (シェル・キープ) と外周城壁を石造改築。 13 世紀ヘンリー 3 世が王宮としての装飾化を進め、 1348 年エドワード 3 世がガーター勲章 (Order of the Garter、 英国最高勲章) を創設してウィンザー城を本拠地に指定 (年次ガーター式典は今も毎年 6 月第 2 週)。 1475 年エドワード 4 世がセント・ジョージ礼拝堂 (英国後期ゴシックの傑作) を着工、 1528 年ヘンリー 7 世時代に完成、 ヘンリー 8 世はセント・ジョージ礼拝堂を最終安息の場に選択 (ジェーン・シーモアと共に埋葬)。 1649 年清教徒革命でチャールズ 1 世処刑後にここで密葬、 1660 年王政復古でチャールズ 2 世がフランス・バロック風に大改装。 1820-1830 年ジョージ 4 世がジェフリー・ワイアットビル建築家を起用してゴシック・リバイバル全面改修、 現在見られる城のシルエット (ラウンド・タワーの増築含む) はこの時代の所産。 ヴィクトリア女王時代 (1837-1901) は最愛のアルバート公の死後 (1861) はウィンザーで多くを過ごし「ウィンザーの未亡人」と呼ばれた。 1917 年第一次大戦中の反独感情で王朝名をサクス・コーバーグ・ゴータ家からウィンザー家に改称、 城が王朝名の由来となった。 第二次大戦中はジョージ 6 世とエリザベス王女 (後の女王) の疎開先、 戦後はエリザベス 2 世の週末居城 (Buckingham Palace は公務中心、 Windsor は私的滞在) として機能。 1992 年 11 月 20 日 (女王在位 40 周年記念年) 大火災発生、 アッパー・ウォード東面の 100 室以上が焼失、 修復工事 5 年・総額 3700 万ポンド (王室+国費負担) で 1997 年復元完了。 2022 年 9 月 19 日エリザベス 2 世葬儀後の最終安置の場としてセント・ジョージ礼拝堂キング・ジョージ 6 世記念礼拝堂に埋葬、 アルバート公・チャールズ皇太子妃ダイアナ等と並ぶ。 2023 年 5 月 6 日チャールズ 3 世戴冠式直前の式典をウィンザーで執行、 39 代の現役居城として継続している世界最古の城。

文化的背景と意義

ウィンザー城は世界最古かつ最大の現役居城として 950 年連続の王室機能を持ち、 英国王朝史の物質化された象徴である。 1917 年に王朝名を「ウィンザー家」に改称した由来となった建造物で、 「ウィンザー」ブランドの源点。 ガーター勲章 (1348 年エドワード 3 世創設、 英国最高勲章で受勲者数は王 + 24 騎士の限定) の儀礼の中心地で、 毎年 6 月第 2 週のガーター式典 (Garter Day) は世界中の王室ファンが集まる。 セント・ジョージ礼拝堂 (1475-1528) は英国第二の王室霊廟 (第一はウェストミンスター寺院) で、 ヘンリー 8 世・チャールズ 1 世・ジョージ 5 世・ジョージ 6 世・エリザベス 2 世等 10 代の君主と王族が眠る。 王室結婚式の場としても重要で、 2018 年ハリー王子+メーガン・マークル婚儀、 2018 年ユージェニー王女婚儀がここで執行された。 1992 年大火災 (女王在位 40 周年の「ホリブル・イヤー」象徴) と 2022 年エリザベス 2 世埋葬という対照的な近年史も国民の記憶に刻まれる。 ハリー・ポッター映画シリーズ (1-7 作) でホグワーツ城の外観モデルの一つとされ (実際は複数の城の合成) 国際的アイコン化、 ロンドン日帰り観光の定番として年間 150 万人超が訪れる。

建築的詳細

ウィンザー城は東西 484 メートル × 南北 165 メートルの不規則平面、 約 13 ヘクタールに 1000 室超を持つ世界最大の現役居城。 平面は中央ラウンド・タワーを境にロウアー・ウォード (西、 セント・ジョージ礼拝堂)、 ミドル・ウォード (中)、 アッパー・ウォード (東、 ステート・アパートメントと王室住居) の 3 区画。 ラウンド・タワー (高さ 65 メートル) は 1170 年ヘンリー 2 世の石造改築 + 1820 年代ジョージ 4 世時代のワイアットビル増築でゴシック・リバイバル様式に統一。 セント・ジョージ礼拝堂 (1475-1528) は英国後期ゴシック (パーペンディキュラー様式) の傑作で扇形ヴォールト天井とガーター騎士団の旗で内陣が華麗。 アッパー・ウォードのステート・アパートメントには絵画コレクション (ルーベンス・レンブラント・カナレット・ヴァン・ダイク) と王の謁見・宴会用大広間が連結、 1992 年火災で焼失したセント・ジョージ・ホール (長さ 55 メートル × 幅 10 メートル) は復元時に新天井装飾を施した。

外部リンク

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