UNESCO 1994

京都府

日本 · JP

千年の都と日本海の絶景が同居する、 日本随一の歴史と文化を擁する古都の府

京都府は平安京以来1200年の都の歴史を継ぐ南部と、 天橋立や伊根の舟屋が点在する日本海側の北部が共存する稀有な府。 国宝・重要文化財の保有数は全国屈指で、 17件の建造物群が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。

世界遺産 1994

ベストシーズン・ベストタイム

3月下旬-4月上旬

祇園白川・嵐山・哲学の道など桜の名所が一斉開花、 1年で最も観光客が集中する最盛期

★★★★★

7月-8月

祇園祭(7月)と五山送り火(8月16日)、 天橋立海水浴と伊根の海も楽しめる

★★★★☆

11月中旬-12月上旬

東福寺・永観堂・嵐山の紅葉が最盛期、 桜と並ぶ二大シーズンで早朝訪問が鉄則

★★★★★

1月-2月

雪の金閣寺・銀閣寺は神秘の絶景、 北部は雪景色の伊根や天橋立で別世界の旅情

★★★★☆

見どころ TOP 3

  • 1.古都京都の文化財(世界遺産)

    京都市・宇治市・大津市に分布する17の社寺城郭が「古都京都の文化財」として1994年に世界遺産登録された。 清水寺の舞台、 金閣寺の鏡湖池、 銀閣寺の侘び寂、 二条城の二の丸御殿など、 各時代の建築美が一府に集積する稀有な文化財群である。

    清水寺の舞台は秋の紅葉期、 朝7時開門直後の人が少ない時間帯が狙い目

  • 2.天橋立(日本三景の絶景砂州)

    宮津湾を南北に横切る全長3.6kmの白砂青松の砂州で、 松島・宮島と並ぶ日本三景の一つ。 笠松公園や傘松公園から股のぞきで眺めると、 海と空が反転して龍が天に昇る姿に見えることから「飛龍観」と称される名勝。

    笠松公園の展望台から股のぞきで撮影、 朝靄の出る早朝が幻想的

  • 3.伊根の舟屋群(重要伝統的建造物群)

    丹後半島東端の伊根湾沿いに約230軒の舟屋が並ぶ漁村集落で、 1階が船揚場・2階が居室の独特な構造を持つ。 海面ぎりぎりの木造2階建て家並みは「日本のヴェネツィア」と称され、 2005年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

    湾内を巡る遊覧船または海上タクシーから水面越しに、 朝の凪の時間帯

物語・伝説

794年、 桓武天皇が平安京を山城国に遷都して以来、 京都は1868年の東京奠都まで1074年間、 日本の政治・文化の中心であり続けた。 応仁の乱(1467年)で市街の大半が焼失し戦国の世が始まったが、 その後の安土桃山時代に豊臣秀吉が御土居を築き京都を再生。 一方、 北部の丹後・丹波は古墳時代から海上交易の要衝で、 天橋立は神話で伊弉諾尊が天と地を結ぶ梯子と伝えられ、 伊根の舟屋は江戸時代の漁村文化を今に伝える。 第二次大戦の空襲を奇跡的に免れた京都市街は、 今も平安京の条坊制を継ぐ街並みを残し、 千年の風景が現代生活と共存する世界でも類例のない都となった。

こんな人におすすめ

千年の寺社建築と庭園美を堪能したい歴史・建築マニア、 桜と紅葉の名所を巡る写真愛好家、 京野菜と料亭懐石を求める食通、 天橋立や伊根で海と漁村文化を味わいたい大人の旅人、 祇園祭や五山送り火で日本の祭礼を体感したい文化愛好家まで広く対応。

現地で知るべき豆知識

  • 1.南部の京都市街は通年混雑するため、 早朝(7-9時)と夕方(16時以降)の訪問が鉄則。 嵐山や清水寺は平日の早朝なら写真も人を入れずに撮れる。 紅葉・桜の盛期は予約制夜間拝観も活用したい
  • 2.北部の海の京都(天橋立・伊根)は南部から特急で約2時間掛かるが、 観光客密度が桁違いに低く穴場。 JR京都駅から特急はしだてで天橋立まで直通、 1泊2日で海と山陰を回る周遊がベスト
  • 3.京都市内交通はバスより地下鉄+徒歩+レンタサイクルが時短。 紅葉期のバスは大渋滞で30分遅延も珍しくないため、 烏丸線・東西線で主要エリアにアクセスし駅から徒歩で巡るルートが効率的

訪問情報

アクセス
京都市は東海道新幹線の主要停車駅で東京から約2時間15分、 大阪から約14分。 北部の天橋立へはJR京都駅から特急はしだてで約2時間、 伊根町は天橋立から路線バスで約1時間。
所要時間
京都市内は最低2泊3日、 海の京都(天橋立・伊根)を含めれば3泊4日が目安。
予算目安
京都市内の主要寺社拝観料は400-600円、 1日4-5箇所で2000円程度。 京野菜懐石ランチは3000-5000円、 宿は7000-30000円。 (2024年時点)

周辺観光

京都市から特急で約45分の宇治市は平等院・宇治上神社の世界遺産がある。 滋賀県大津市の延暦寺も古都京都の文化財に含まれ、 京都市から比叡山ドライブウェイで30分。 奈良(東大寺・春日大社)へはJR奈良線で40分。 北部から鳥取砂丘・城崎温泉も特急直通の周遊圏内。

詳しく知る

時間のある方向けの詳細情報。

年表

  1. 603年

    広隆寺開創

    推古天皇11年、 秦氏の長・秦河勝が太秦の地に蜂岡寺(現広隆寺)を開創、 京都最古の仏教寺院

  2. 713年

    丹後国設置

    和銅6年、 丹波国の北部が分離されて丹後国が設置、 現京都府北部の枠組みが定着

  3. 740年

    恭仁京遷都

    天平12年、 聖武天皇が現木津川市加茂町に恭仁京を造営、 短期間ながら都となった

  4. 794年

    平安京遷都

    延暦13年、 桓武天皇が平安京(現京都市)へ遷都、 以後1074年間日本の都となる

  5. 1467年

    応仁の乱

    応仁元年、 細川勝元と山名宗全が対立し11年間にわたる大戦乱、 京都市街の大半が焼失

  6. 1586年

    聚楽第造営と御土居築造

    豊臣秀吉が聚楽第を造営し御土居で京都を囲む大改造を行い近世都市の骨格を整備

  7. 1603年

    二条城竣工

    慶長8年、 徳川家康の上洛時の居所として二条城が完成、 後に大政奉還の舞台となる

  8. 1864年

    禁門の変

    元治元年、 長州藩兵と幕府軍が京都御所周辺で衝突、 蛤御門の戦いで市街は大火に見舞われた

  9. 1868年

    京都府発足

    慶応4年(明治元年)、 京都裁判所が京都府と改称、 山城国を中心に府制が始動

  10. 1869年

    東京奠都

    明治2年、 明治天皇が東京に行幸し以後京都に戻らず、 千年余の都の役割が東京へ移った

  11. 1952年

    天橋立特別名勝指定

    天橋立が国の特別名勝に指定、 日本三景としての価値が法的に認められた

  12. 1994年12月

    古都京都の文化財登録

    京都市・宇治市・大津市の17社寺城郭がユネスコ世界文化遺産に登録された

  13. 2005年

    伊根の舟屋群保存地区選定

    伊根浦の舟屋群が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定、 漁村景観の保全が制度化

  14. 2009年

    祇園祭の山鉾行事登録

    祇園祭の山鉾行事がユネスコ無形文化遺産に登録、 1100年続く祭礼が世界の文化財に

歴史をもっと深く

京都府の歴史は弥生時代まで遡る。 南部山城地方では京田辺市・向日市に弥生時代前期の集落遺跡があり、 北部丹後半島では4-5世紀に蛭子山古墳・網野銚子山古墳など畿内王権に匹敵する大型古墳が築かれた。 飛鳥時代の603年に秦氏が広隆寺(蜂岡寺)を開創し、 678年頃に上賀茂神社が成立して京都盆地の宗教的基盤が形成された。 奈良時代の740年に聖武天皇が恭仁京(現木津川市)へ遷都、 784年に桓武天皇が長岡京(現向日市・長岡京市)へ遷都し、 そして794年に平安京(現京都市)が築かれ、 以後1074年間にわたり日本の都として機能した。 平安時代は摂関政治・院政・武士の台頭が交錯し、 866年の応天門の変、 1156年の保元の乱、 1180年の平清盛による福原遷都未遂など政争の舞台となった。 鎌倉時代の1221年に承久の乱で六波羅探題が設置され、 室町時代の1336年に足利尊氏が室町幕府を京都に開いた。 1467年の応仁の乱で市街の大半が焼失し戦国時代に突入、 1568年に織田信長が上洛、 1573年に室町幕府滅亡、 1582年の本能寺の変、 同年の山崎の戦いと、 戦国終盤の主要事件が京都で連続した。 豊臣秀吉は1585年に関白に叙任され、 翌1586年に聚楽第を造営し御土居を築いて京都を大改造、 1592年に伏見城を築城した。 江戸時代は徳川幕府の京都所司代・京都守護職が置かれ、 1603年に二条城が竣工して家康が将軍宣下を受けた。 北部では亀岡藩・福知山藩・園部藩(丹波)、 田辺藩・宮津藩・峰山藩(丹後)が並立した。 1862年に京都守護職、 1863年に新選組結成、 1864年の禁門の変、 1868年の鳥羽伏見の戦いを経て明治維新を迎え、 同年京都府が発足した。 1869年に天皇が東京へ移り都の地位を失ったが、 明治政府は1894年に平安遷都1100年を記念して平安神宮を創建し、 千年の都の記憶を継承した。 1994年12月に京都市・宇治市・大津市の17社寺城郭が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録された。

文化的背景と意義

京都府の文化財保有数は全国屈指で、 国宝建造物52件は全国2位、 重要文化財建造物304件は全国2位、 国宝美術工芸品は全国1位を誇る。 「古都京都の文化財」は1994年12月に賀茂別雷神社(上賀茂)、 賀茂御祖神社(下鴨)、 教王護国寺(東寺)、 清水寺、 醍醐寺、 仁和寺、 平等院、 宇治上神社、 高山寺、 西芳寺(苔寺)、 天龍寺、 鹿苑寺(金閣)、 慈照寺(銀閣)、 龍安寺、 本願寺(西本願寺)、 二条城、 延暦寺(滋賀)の17資産で構成され、 平安京遷都の794年から江戸時代までの千年の建築様式の連続性が評価された。 京都市街は応仁の乱や幕末の禁門の変で度々焼失したが、 第二次大戦では原爆投下候補から外され空襲被害も軽微で、 古都の街並みが奇跡的に保存された。 京都の三大祭(葵祭・祇園祭・時代祭)、 五山送り火、 鞍馬の火祭等の年中行事は千年の宮廷儀礼と民衆信仰が融合した文化遺産で、 祇園祭の山鉾行事は2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された。 北部の伊根の舟屋群は2005年に重要伝統的建造物群保存地区、 天橋立は1952年に特別名勝に指定され、 江戸期の儒学者・林春斎が松島・宮島と並ぶ日本三景に選定した。 京都府の食文化は「京懐石」「京野菜」「宇治茶」「丹後ばらずし」など南北で多様性に富む。

建築的詳細

京都府の建築は単一の様式ではなく、 794年の平安京遷都以来1074年間にわたって積層した千年の建築文化総覧として理解される。 山城国南部の京都盆地には桓武天皇が築いた条坊制の都市計画が今も残り、 街路・寺社の配置は平安京創建時の格子をほぼそのまま継承している。 飛鳥時代の603年に秦氏が開創した広隆寺、 678年頃に成立した上賀茂神社が京都最古級の宗教建築の代表で、 794年の平安京遷都以降は教王護国寺(東寺)・賀茂御祖神社(下鴨)・延暦寺など平安期の社寺建築が連続して建立された。 安土桃山時代には豊臣秀吉が1586年に聚楽第を造営し、 同年に京都の外周を取り囲む御土居の土塁を築いて市街地を再画定、 1592年には伏見城(指月城)を、 1596年の慶長大地震による全壊後は木幡山城として再建した。 徳川幕府期は1603年に二条城が竣工して家康の将軍宣下の舞台となり、 京都所司代・京都守護職が市街統治を担った。 北部の丹波・丹後地域では戦国期に明智光秀が1578年に亀山城、 1579年に福知山城を築城し、 田辺城・宮津城・峰山城など藩政期の城郭が地域核を形成した。 17%以上が山地丘陵地という地形条件のもと、 北部丹後半島では伊根の舟屋群が江戸期から続く水際木造2階建ての独自漁村建築を残し、 2005年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

外部リンク

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