UNESCO 1998

古都奈良の文化財

奈良市 · JP

奈良時代日本仏教の根源、 8つの構成資産が一体の世界遺産・古都奈良

奈良市の8寺社・遺跡が「古都奈良の文化財」として1998年世界文化遺産登録。 構成資産は東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡で、 710-784年の奈良時代日本仏教文化の根源、 752年大仏開眼以来の世界最大級木造建築群を擁する。

世界遺産 1998

ベストシーズン・ベストタイム

3月-5月

桜と修二会 (3月1-14日)、 春日大社藤の花4月下旬、 観光客最多の混雑期

★★★★★

6月-8月

新緑と万灯籠 (8月14-15日)、 夏休み混雑、 早朝戦略推奨

★★★★☆

10月-11月

紅葉の春日山と東大寺、 11月下旬ピークで観光客最多、 正倉院展開催で美術ファン集結

★★★★★

12月-2月

若草山焼き (1月第4土曜)、 観光客減で快適、 鹿の餌やり最盛期

★★★★☆

見どころ TOP 3

  • 1.東大寺大仏殿と奈良大仏

    高さ48メートルの大仏殿は木造建築世界最大級で、 内部の金銅盧舎那仏 (752年開眼、 高さ15メートル) は天平期日本仏教の象徴。 1180年・1567年の二度焼失再建、 現大仏殿は1709年再建で天平・鎌倉期の旧規模の3分の2。

    大仏殿正面を中門越しに、 朝の順光

  • 2.春日大社の三千基の灯籠

    768年創建の春日大社 (国宝・本殿) は藤原氏氏神社で、 境内に約3000基の石灯籠と燈籠が並ぶ。 万灯籠 (節分・お盆) では全燈籠点灯の夜景が幻想的、 春日山原始林 (世界遺産構成) を背景に古代神道の風情を伝える。

    二の鳥居参道の燈籠並び、 万灯籠夜の灯火

  • 3.薬師寺東塔 — 凍れる音楽

    薬師寺東塔 (国宝、 730年) は薬師寺で唯一現存する創建期建築。 三重塔ながら裳階を備え六重に見え、 高さ34メートル。 2012-2018年に解体修理、 西塔は1981年再建。

    薬師寺東塔の正面遠景、 朝の順光

物語・伝説

710年元明天皇が藤原京から平城京 (現奈良市) に遷都、 唐の長安を範とする碁盤目街路の都が建設された。 728年聖武天皇の発願で東大寺造営、 752年4月9日に大仏開眼供養会 (インドの僧菩提僊那導師)、 752年からの天平期に興福寺・薬師寺・元興寺・唐招提寺等の主要寺院が一斉に整備された。 768年藤原氏が春日大社を創建。 784年長岡京遷都で平城京は廃都、 大寺院は残存。 1180年平重衡の南都焼討で東大寺・興福寺焼失、 鎌倉期再建。 1567年松永久秀の三好氏戦で再焼失、 1709年に大仏殿再建 (現存)。 1998年12月「古都奈良の文化財」(8構成資産) として世界文化遺産登録。

こんな人におすすめ

奈良時代日本仏教文化と天平建築の根源を巡る古代史愛好家、 大仏・薬師三尊・阿修羅像等の天平彫刻を鑑賞する仏像ファン、 春日大社・春日山原始林の古代神道と自然信仰の聖地を求める巡礼者、 京都に次ぐ世界遺産観光の起点を求める観光客。 JR奈良駅から徒歩-市バスでアクセス。

現地で知るべき豆知識

  • 1.8構成資産を1日で全て巡るのは困難 (徒歩・バスで約8時間)、 東大寺-春日大社-興福寺の中心3箇所で半日、 薬師寺-唐招提寺の西大寺地区で半日、 平城宮跡で半日の3日分割が現実的
  • 2.東大寺二月堂の修二会 (お水取り、 3月1-14日) は752年以来1270年継続の不退転行事で、 12-14日は特に人気、 公式サイトで日程確認 + 早期到着推奨、 国際観光客にも有名な行事
  • 3.春日大社万灯籠 (節分2月3日・お盆8月14-15日) は3000基の石灯籠・燈籠を全点灯、 18時頃-21時の夜限定で観光客最多、 公式サイトで日程確認、 暑さ対策必要

訪問情報

アクセス
JR奈良駅から東大寺まで市バスで10分、 近鉄奈良駅から徒歩15分。 京都駅から近鉄特急で35分、 大阪難波から快速で35分。
所要時間
東大寺+春日大社+興福寺で半日、 全構成資産巡って2-3日。
予算目安
東大寺大仏殿 大人800円、 春日大社本殿特別参拝500円、 興福寺国宝館700円。 (2024年時点)

周辺観光

車で30分の法隆寺・法起寺 (世界遺産別群、 1993年登録)、 車で1時間の吉野山 (世界遺産紀伊山地)、 京都市内 (近鉄特急35分、 世界遺産古都京都) との組合せで「関西仏教世界遺産」周遊が定番。

詳しく知る

時間のある方向けの詳細情報。

年表

  1. 710年3月

    平城京遷都

    元明天皇が藤原京から平城京に遷都、 唐の長安を範とする日本古代最大の都城が建設される起点となる

  2. 728年

    東大寺造営

    聖武天皇の発願で東大寺造営が開始、 国分寺・国分尼寺総国分寺として全国仏教支配の中核となる

  3. 752年4月9日

    大仏開眼

    東大寺大仏開眼供養会で高さ15メートルの金銅盧舎那仏が開眼、 天平期日本仏教文化の最高峰となる

  4. 759年

    唐招提寺開創

    唐僧鑑真が唐招提寺を開創、 正統戒律日本伝来の根本道場として律宗の本山となる転換点

  5. 768年

    春日大社創建

    藤原氏が春日大社を創建、 三千基の石灯籠と燈籠が並ぶ古代神道の最高峰の聖地となる

  6. 784年

    長岡京遷都

    桓武天皇が長岡京に遷都、 平城京は廃都となるが大寺院は残存して中世以降も継続使用される

  7. 1180年12月

    南都焼討

    平重衡の南都焼討で東大寺・興福寺が焼失、 大仏殿全焼で大仏も損傷を受ける歴史的悲劇

  8. 1181-1195年

    鎌倉再建

    俊乗坊重源主導で鎌倉期再建、 大仏様の南大門 (1199年) と新大仏殿 (1195年) が完成する

  9. 1567年10月

    再焼失

    松永久秀の三好氏戦で東大寺大仏殿が再焼失、 江戸期1709年再建まで130年間露天大仏となる

  10. 1709年

    現大仏殿再建

    公慶上人主導で現大仏殿が再建、 天平・鎌倉期の3分の2規模で江戸期再建大仏殿の傑作となる

  11. 1998年12月

    世界文化遺産登録

    「古都奈良の文化財」(8構成資産) として登録、 国際保護対象として位置付けられる転換点

  12. 2010年

    平城遷都1300年祭

    平城宮跡大極殿復元等の記念事業、 国際的注目を集めた奈良観光ブランディングの転換点となる

歴史をもっと深く

古都奈良の文化財は奈良市の8構成資産が1998年12月ユネスコ世界文化遺産に登録された包括登録で、 構成資産は東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡。 起源は710年3月元明天皇 (在位707-715) が藤原京 (持統天皇造営、 694-710) から平城京に遷都したことに始まる。 平城京は唐の長安 (面積84平方キロ、 110条坊) を範とする碁盤目街路の都で、 面積25平方キロ・東西約4.3キロ × 南北約4.7キロ・人口推定10万人。 朱雀大路 (幅74 m × 全長3.7 km) を中軸に、 北端に天皇居館の平城宮 (1.2 × 1.0 km、 大極殿・朝堂院・内裏)、 東西の左京・右京に貴族・庶民の居住区、 南端の羅城門で囲まれた古代日本最大の都城。 728年聖武天皇 (在位724-749) の発願で東大寺造営、 752年4月9日に大仏開眼供養会 (インドの僧菩提僊那導師、 唐僧鑑真ら参列)、 高さ15メートルの金銅盧舎那仏が開眼された。 同時期に興福寺 (藤原氏氏寺、 669年創建)・薬師寺 (天武天皇発願、 680年創建)・元興寺 (蘇我氏寺、 588年創建、 平城京遷都で移築)・唐招提寺 (鑑真開創、 759年) が整備、 768年に藤原氏が春日大社を創建した。 784年長岡京遷都で平城京は廃都、 大寺院は残存して中世以降も継続使用。 1180年12月平重衡 (1157-1185) の南都焼討で東大寺・興福寺焼失 (大仏殿全焼)、 1181年俊乗坊重源主導で鎌倉期再建が始動、 大仏殿は1195年再建。 1567年10月松永久秀の三好氏との戦いで東大寺大仏殿が再焼失、 江戸期1709年に公慶上人主導で現大仏殿が再建 (天平・鎌倉期の3分の2規模)。 1998年12月ユネスコ世界文化遺産「古都奈良の文化財」(8構成資産) として登録、 登録基準 (2)(3)(4)(6) で評価。 2010年平城遷都1300年祭で平城宮跡大極殿復元 (現存)、 2024年現在年間1300万人 (国内外) が訪れる関西世界遺産トップ3。

文化的背景と意義

古都奈良の文化財は奈良時代日本仏教文化と古代国家の根源を体現する世界遺産で、 京都・厳島と並ぶ日本伝統文化の最高峰。 ユネスコ登録基準 (2)(3)(4)(6)、 (2) は唐文化の日本化、 (3) は奈良時代の独自証言、 (4) は平城宮・大寺院群の傑作、 (6) は現役聖地としての普遍的意義。 奈良時代 (710-794) は日本仏教・国家儀礼・万葉集 (770年頃) の起源期で、 「奈良の都の青丹よし」が国民的記憶に組込まれる。 752年大仏開眼供養会はインド (菩提僊那)・唐 (鑑真)・日本の宗教者が一堂に会した国際儀礼で、 ユーラシア仏教ネットワークの東端の象徴。 東大寺修二会 (3月1-14日) は752年以来1270年継続の不退転行事で国民的春の風物詩。 春日大社の鹿は神道の使いとされ1957年天然記念物指定、 「奈良=鹿」のブランド連想を確立。 司馬遼太郎『街道をゆく』、 川端康成『古都』、 NHK大河『平清盛』『鎌倉殿の13人』で繰返し題材化。

建築的詳細

古都奈良の文化財は奈良市内の8構成資産で、 東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡が含まれる。 東大寺は大仏殿 (国宝、 1709年、 高さ48 × 桁行57メートル、 木造世界最大級)・南大門 (国宝、 1199年、 大仏様)・二月堂 (国宝、 1669年再建)・正倉院 (国宝、 8世紀、 校倉造)。 興福寺は五重塔 (国宝、 1426年、 高さ50メートル)・北円堂 (国宝、 1210年)・東金堂 (国宝、 1415年)・国宝館 (阿修羅像)。 春日大社は本殿4棟 (国宝、 768年創建、 春日造)・約3000基の石灯籠。 薬師寺は東塔 (国宝、 730年、 「凍れる音楽」)・西塔 (1981年再建)。 唐招提寺は金堂 (国宝、 8世紀、 鑑真請来)・鑑真和上像 (国宝、 脱活乾漆造)。 元興寺は極楽坊本堂 (国宝、 1244年、 行基葺)。 平城宮跡は復元大極殿 (2010年)・朱雀門 (1998年復元)。 春日山原始林は神域として伐採禁止で252ヘクタール。

外部リンク

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